記事タイトル一覧

2016年6月25日土曜日

❖よしかわ憲法サロン5月学習会報告


  第21回よしかわ憲法サロン 5月学習会内容報告(報告:栗原明一)
・日時、場所:2016・5・21(土) 13:30~16:00 おあしす セミナールーム3
・内容:「自民党の改憲草案」を考える!その① ・講師:清川久基さん
・講義内容
1.はじめに:清川氏のレポートは、『自民党改憲草案』の「前文」、「第1章天皇」、「第二章安全保障」について〝検証を試みる〟という内容であった。レポート冒頭にある「自民党の改憲案はたんなる夢物語ではなくなっている」という言葉に、同氏の改憲案に対する危機意識と警鐘が表現されている。
2.「前文」について:同氏によれば「改憲草案の前文」に改憲の〝本質〟が見てとれると言う。そこで、私なりに改憲案「前文」を要約してみた。
[(前文)日本国は・・・天皇を戴く国家・・・に・・・統治される。日本国民は・・・国と郷土を・・・自ら守り・・・国家を形成する。我々は国土・・・をまもりつつ・・・国を成長させる。日本国民は・・・国家を末永く・・・継承するため・・・憲法を制定する。]
 前文の「国・国家」という文字をつなげて読んでみれば、自民党改憲案の〝本質〟、すなわちその狙いや目的が見えてくる。改憲案全体が目論んだものは、日本国憲法が最大の尊重をしてきた〝個人〟(第13条)の否定である。そして天皇を戴く〝国家〟の肯定、すなわち天皇を担ぐ人々による軍事的経済的国家支配にほかならない。天皇に近い順に人が威張り、利益を得ることができた戦前の天皇制国家への回帰を彷彿とさせる。
3.「第1章天皇」:改憲案第1条は「天皇は、日本国の元首であり・・・」で始まる。「象徴」がついに「元首」となった。日本国憲法の第1章が天皇の条項になっていることの矛盾と危険性を、清川氏が3月の学習会(「憲法9条と自衛隊」)で強調されていたが改めてその意味が理解できる。現憲法に記載されていることが根拠となって、自民党改憲草案に〝元首〟として登場するのである。国家の中心に天皇を置き、天皇に近い順に差別的序列をつくりだす。差別は必然的に国民の自由を奪い、支配する者たちの安全と繁栄を保障する。
「第3条日本国民は国旗及び国歌を尊重しなければならない」についてのコメントは同氏が自ら裁判闘争をしてきただけに説得力がある。このまま行けば、「国民一般に、処分を背景とする〝国旗・国歌〟の強制の時代がやってくると覚悟せざるを得ない」とは実感であろう。レポートに書かれた「戦後の教育現場における〝日の丸・君が代〟に関する経緯」等の資料の提示も、教育現場で抵抗してきた人間の貴重な〝証言〟といえる。
4.「第2章安全保障」:改憲案9条に関する清川氏の〝検証〟は「自民党解説文」を引用し、その矛盾を指摘し批判している。
 改憲案9条は「・・・戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。」のあとすぐに「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。」と言っている。私も清川氏が指摘するように、「この二つの文章はどう考えても矛盾していて両立しない」と思う。
5.おわりに:私は〝自衛権〟といえば武力の行使が許されるという考えは間違っていると確信している。個別的だろうが集団的だろうが武力で相手を殺す権利はお互いにない。
「それぞれの国土はそれぞれの国民にとってそれぞれに美しいことは、世界を広く深く知れば容易に理解できることである。」という清川氏の論理を私は支持する。自らにとって人権ならば相手にとってもまた人権である。人権は国籍や人種を問わない。人権は個人に備わるもので集団には備わらない。自衛権の発動とは誰にとっても人権侵害に他ならない。

2016年6月16日木曜日

❖6月の学習会のご案内

6月 学習会 自民党改憲草案を考える(2) 

・なぜ今、憲法改正なのか?
・自民党は、どこを、どう変えようとしているのか?
・憲法9条は壊される? 
・自民党が新設に意欲をしめしている“緊急事態条項”の必要性って?

レポーター 清川久基氏(元社会科教師)
6月18日(土)13:30~16:00
市民交流センターおあしす セミナールーム3
参加費200円

2016年6月6日月曜日

❖よしかわ憲法サロン 4月学習会内容報告

日時/場所/参加者:  2016/4/16 (土)13:30 ~ 16:00/おあしす/18名
学習会内容: 1)上映会 『沖縄少年兵の告白  「護郷隊」』
                    2)講演   『日本の戦争と沖縄』
講師: 三須 隆弥さん

【映画の内容:要旨】

・1944年(昭和19年)陸軍省令改正により、それまで17才以上だった男子を、沖縄では14才以上から志願応召できるとした。時期を早めて召集したことは法令違反だった。
・集められた子どもたちは、「志願しなくてもよい。しかし、志願しない者は葉書が届いたら死刑になる」と脅された。実質的な強制召集(徴兵)。
・郷土をまもるとの意味で「護郷隊」と名付けられた。日本で唯一の少年ゲリラ隊(およそ1000)。その目的は本土決戦を遅らせることにあった。           

    [ 生き残った「護郷隊員」の声 ]
・「戦争は人間の尺度を超えている」「当時はただ産まれなかったと思えばそれでいいと考えた」
・「アメリカ兵に使われないため、実家を焼くよう命令された。これが郷土をまもることなのか?」
・「負傷して歩けない少年兵に毛布をかけ、軍医が銃で撃つのを見た」
・「いまでも、本土を守るためには沖縄は犠牲になっても良いと思われているのでは?本土と沖縄の関係はずっと変わっていないのではないか」

    [ アメリカ兵から見た少年兵]: 護郷隊の少年達は軍国主義の精神をすりこまれていた。

【講演内容:要旨】

・何故、日本はアメリカと戦争したのか。その起源は日清戦争にある。開国後の日本は、ロシアが朝鮮半島に進出することを脅威とした。そこでまず朝鮮を清国から切り離すため、清に戦争をしかけ勝利した(日清戦争)。
・しかし、清国は多額の賠償金を日本に支払うため、ロシア、ドイツ、イギリス、フランスの半植民地となり、朝鮮はロシアに接近した。日本の期待と全く逆になってしまった。そこで朝鮮を日本の影響下に置くため、ロシアと戦争し勝利した(日露戦争)。
・その結果、ロシアが持っていた南満州の鉄道を日本に譲渡させ、軍隊の駐留権を獲得した。同時に、 朝鮮を強引に併合(韓国併合)してしまう。
以後この満州を確実に日本の領土としたい日本は、国民国家の建設を始めた中国と本格的な戦争に なった(日中戦争)。
・この過程で日本は国際的に孤立し、中国を支援するアメリカと対立していった(日米戦争)。
・戦争のたびに、軍事費は巨大になり、日露戦争後は国家予算の60%(平均)を超えた。
・アメリカが沖縄に上陸したのは、日本本土を攻撃するためであった。しかし日本の降伏後、ソ連との対立が激化し、沖縄を反ソ、反共の前進基地とした。日本の独立後も、沖縄はアメリカの軍制下に置かれ、1972年日本復帰後は、安保条約により、米軍が沖縄の基地を“使用することを許される” (6条)ことになった。1991年のソ連崩壊後、アメリカは日本との軍事協力を強く要請し、基地の永続安定使用を進めようとしている。

【参加者の感想】

・昭和天皇の沖縄メッセージ(1947年9月):「アメリカが継続して沖縄を軍事占領する事を希望する」からも、沖縄は何度も本土から捨てられたと思う。
・4月、沖縄に行ってきた。“沖縄平和ネットワーク”で、吉川で「護郷隊」の上映会を開くと話すと、(上記の)軍医に拳銃で撃たれた護郷隊員の弟の 話を聞くことができた。「軍医を責める気はない」「殺害は大本営の命令だった。亡き兄の望みは今の若者が自分と同じ目に合わないこと」と。
・NHKは批判されているが、このような番組を作る人達が内部にまだいることに元気づけられる。 
・この映画を見るのを楽しみにしてきた。こういう事があったのかということがよく分かった。
・琉球王国、沖縄の人達の苦労に胸が詰まる。沖縄の人達に申し訳ない。
・テレビの放映の時も見たが、今回じっくり落ち着いて見る事ができ良かった。
・沖縄戦では、民間人の死者が多かった。日本人として沖縄に対して何ができるのか考えさせられた。
・戦争になれば、何も言えなくなる。ナチスもスターリン時代も同じ。そうさせないために、小さな地域単位での運動は大事と思う。
・吉川駅前で、安保法制反対の署名活動をしていたら、駅前交番の警察官2名が来て、「責任者は誰か」  と問われた。市民の方が交番に通報したとのこと。法に触れていない活動なのに、警察も理解が不足している。いやな時代になってきたことを身近に感じる。